食生活、不規則な生活、運動不足、ストレス、喫煙や飲酒などの生活習慣が病気の発症・進行に大きく関係している疾患をまとめて生活習慣病といいます。もちろん、家族に糖尿病の人がいると子供も糖尿病になりやすいなど、遺伝的な影響も関係していますが、それ以上に生活習慣が発症・進行に大きな影響を及ぼしています。(生活習慣に関係なく発症する1型糖尿病などもありますが、頻度は少ないです。)
具体的には糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、高血圧などがあり、自覚症状はほとんどありません。そのために放置されがちですが、治療しないと確実に悪化し、血管の動脈硬化が進行します。その結果、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、大動脈瘤などの致死的な疾患が非常に起きやすくなるため、早期発見、早期治療が重要です。
治療には薬も使いますが、まずは生活習慣を改善することが大切です。いくら薬で治療しても、それ以上に食べたりお酒を飲んだりしては悪化する一方です。逆に軽症の方は薬を使用せずに、生活習慣の改善のみで血液検査の数値が正常化する場合もあります。
メタボリックシンドローム
糖尿病、脂質異常症、高血圧、肥満などが組み合わさることにより、脳卒中や心筋梗塞などの病気がより発症しやすくなることから、これらが併存している状態をメタボリックシンドロームと呼んでいます。簡単に言えば、数種類の生活習慣病+肥満の状態であり、1種類の生活習慣病が存在するよりも悪い状態です。心筋梗塞などの命にかかわる病気をおこす頻度が多いことから、以前は“死の四重奏”などと言われたこともありました。
治療方法は生活習慣病と同様です。生活習慣の改善+薬で治療を行い、肥満が改善してくると糖尿病、脂質、血圧も一緒に改善してくることもあるため、あきらめたり放置したりせずに、まず内科に相談し、しっかりと治療を行うことが大切です。